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がん免疫細胞治療とは

がん免疫細胞治療とは

私たちの身体の中でがん細胞やウイルス等の異物と闘ってくれる免疫細胞を患者さんの血液から採取し、細胞培養施設で培養・加工することで増殖や、効率的にがんを攻撃するよう教育・活性化してから、点滴・注射などで再び体内へ戻すことで、免疫の力でがんを攻撃する治療法です。

1.採血により免疫細胞を採取　2.細胞培養施設で免疫細胞を加工　3.点滴・注射などで体内に戻して、がんを攻撃

がん免疫細胞治療の特徴

患者さん自身の細胞を用いることで、副作用が少ない
標準治療との併用が可能で、併用による相乗効果も期待できる
初期の方から進行がんの方まで治療が可能
一人ひとりに合わせた個別化医療が可能

がん免疫細胞治療で使う免疫細胞の種類について

がん免疫細胞治療で使う免疫細胞にはいくつかの種類があります。

樹状細胞

樹状細胞は、体内の病原体や異常細胞などを取り込み（記憶）、その病原体や異常細胞などの記憶した特徴をがん細胞への直接攻撃するT細胞に、攻撃の指示を与える免疫細胞です。この樹状細胞に体外でがん抗原（がんの目印）を記憶させてから（教育してから）体内へ戻し、がんの目印を記憶したT細胞にがんを効率的に攻撃するよう指示させます。

NKT細胞

NKT細胞は、 NK細胞とT細胞の性質を持ち、排除すべき病原体や異常細胞などに対して直接または間接に攻撃を加える免疫細胞です。NKT細胞自身ががん細胞を直接認識し攻撃したり、T細胞やNK細胞を活性化させ間接的に攻撃力を高めるなど、免疫力の長期的な強化と持続的な攻撃を行うなどの様々働きがあります。
また、NKT細胞が樹状細胞を介してα-ガラクトシルセラミドという糖脂質を示されると活性化するしくみを利用し、α-ガラクトシルセラミドで処理した樹状細胞を用いて、体内でNKT細胞を活性化・増殖させることでがん細胞を制御し攻撃を行うなど様々働きがあります。

アルファ・ベータT細胞

アルファ・ベータT細胞は、 T細胞の大部分を占める免疫細胞です。
がんに対する攻撃力が最も強い細胞のひとつであるT細胞を全般的に活性化、増殖させてから体内へ戻し、がん細胞の目印がわからない時やがん細胞が目印を隠している場合に、早期がんから進行したがんまで幅広く適用される免疫細胞です。

ガンマ・デルタT細胞

ガンマ・デルタT細胞は、アルファ・ベータT細胞が認識する「抗原」に依存することなく体内の病原体や異常細胞から体を守る免疫細胞です。
抗体医薬を使っている場合や、骨腫瘍・骨転移などの治療にゾレドロン酸を使っている場合、併用することで相乗効果を期待される免疫細胞です。

NK細胞

NK（ナチュラ・ルキラー）細胞は、常に全身をパトロールし病原体や異常細胞などへ真っ先に攻撃を加える免疫細胞です。この殺傷能力の高いNK細胞を患者さんの体外に取り出し、高度に安全管理された環境下で大幅に増殖・活性化して体内に投与し、病原体、がん細胞などの異常な細胞を発見して攻撃する免疫細胞です。